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イラスト・漫画依頼の著作権と利用範囲の基礎|譲渡と利用許諾の違い、AI 学習、書面に書くこと

イラスト・漫画依頼の著作権と利用範囲の基礎|譲渡と利用許諾の違い、AI 学習、書面に書くこと

「お金を払って描いてもらったイラストは、自分のものになる」。そう思って依頼すると、あとで「グッズにしたい」「色を変えたい」「別の用途にも使いたい」となったときに、クリエイターとの認識がずれます。逆にクリエイター側も、「譲渡します」と軽く書いたつもりが、思った以上の権利を手放していることがあります。

この記事は、イラスト・漫画の依頼にかかわる著作権と利用範囲の基礎を、依頼する人・受ける人の両方に向けて整理したものです。相場・修正指示・条件の決め方などの個別の話は各記事にあり、この記事はそれらの土台になる「権利の考え方」に絞ります。

本記事の基準日は 2026 年 9 月 3 日 です。根拠は、日本の著作権法の条文(e-Gov 法令検索)、文化庁と公正取引委員会の公開資料、裁判所が公開している判決文にもとづき、各節の末尾に示します。条文の引用は基準日時点の e-Gov 掲載の本文からそのまま引いています。ただし、この記事は一般的な解説であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。契約やトラブルの判断が必要な場合は、弁護士など専門家に相談してください。

著作権は、描いた人のもの

著作権は、作品を創作した時点で、創作した人に自動的に発生します。登録も届け出も要りません。依頼して描いてもらったイラストも同じで、著作権は描いたクリエイターにあります依頼料は「制作に対する対価」であって、権利を買い取る代金ではありません。

これは「契約で別に決めなければ」の話です。譲渡の合意があれば著作権は依頼者に移りますし、合意がなければクリエイターに残ったまま、依頼者は「決めた範囲で使ってよい」状態になります。

会社が従業員に業務として描かせた場合は会社の著作物になる規定(職務著作)がありますが、外部のクリエイターやフリーランスに依頼する場合には当てはまりません。

GreenHorn(グリーンホーン)の利用規約も同じ整理です。成約時の書面に定めがなければ成果物の著作権はクリエイターに帰属し、依頼者には成約書面で定めた範囲の利用権が付与されます利用規約 第 13 条(知的財産権))。

根拠

  • 著作者は「著作物を創作する者をいう」著作権法 第 2 条 1 項 2 号)。「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる式の履行をも要しない」著作権法 第 17 条 2 項)。登録などの手続きなしに権利が発生します。
  • 職務著作の規定著作権法 第 15 条 1 項)。「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」対象は「業務に従事する者」で、外部への委託は含まれません。
  • 裁判例では、デザイン制作を委託した企業が、契約に著作権の定めがないまま成果物の写真を別の制作物に流用した事案で、成果物の著作権は「被控訴人に譲渡された認めることはできず、控訴人(制作者)に留保されていたものと解される」とし、流用は「制作目的の異なる制作物の背景に印刷し、これを複製するものであって、著作権を侵害する」と判断されました大阪高等裁判所 令和 3 年 1 月 21 日判決、令和 2 年(ネ)第 597 号)。対価を払っても契約で定めなければ著作権は制作者に残り、使えるのは当初の制作目的の範囲に限られる、という整理です。

「譲渡」と「利用許諾」は別もの

依頼で出てくる権利の取り決めは、大きく 2 つです。

  • 利用許諾(ライセンス): 著作権はクリエイターに残したまま、「この用途・この範囲で使ってよい」と認めること。ほとんどの依頼はこちらです。依頼者は許諾された範囲の中でだけ使えます。
  • 著作権譲渡: 著作権そのものを依頼者に移すこと。以後は依頼者が複製・公開・改変・グッズ化などを自分の判断でできるようになり、クリエイター側は原則としてその作品を使えなくなります。

譲渡には、知っておくべき落とし穴が 2 つあります。

「譲渡」と書いても、改変の権利は残る

著作権法は次のように定めています。「著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。」著作権法 第 61 条 2 項)。第 27 条は翻案権(加工・改変・別の形式への作り変え)、第 28 条は二次的著作物の利用に関する原著作者の権利です著作権法 第 27 条著作権法 第 28 条)。

「著作権をすべて譲渡する」「買い取り」と書いただけでは、この 2 つの権利は依頼者に移っていないと推定されます。裁判例でも、契約書に「著作権等一切の権利は委員会に帰属する」とあるだけでは特掲にあたらないとされた事案がありますひこにゃん事件、大阪高等裁判所 平成 23 年 3 月 31 日決定、平成 23 年(ラ)第 56 号、判例時報 2167 号 81 頁。裁判所 Web サイトには未掲載)。この事件では、仕様書に立体化の予定が示されていたなどの事情から最終的に推定は覆されましたが、契約の文言だけでは足りないことを示しています。実務で「著作権(著作権法第 27 条及び第 28 条に規定する権利を含む)を譲渡する」という書き方が使われるのはこのためです。

著作者人格権は譲渡できない

著作権とは別に、クリエイター本人に一身専属で残る権利があります。公表するかどうかを決める権利(公表権)、名前を出すかどうかを決める権利(氏名表示権)、意に反する改変をされない権利同一性保持権)で、まとめて著作者人格権呼びます。これは著作権を全部譲渡しても、クリエイターに残ります著作権法 第 59 条)。

そのため譲渡契約では「著作者人格権を行使しない」という特約を付けるのが一般的です。裁判例では、著作権を譲渡したうえで通常の利用行為について人格権を行使しない旨を約した認められる場合、あとから人格権を主張することは「信義則ないしは禁反言の原則に反する主張として許されない」とされています宇宙戦艦ヤマト事件、東京地方裁判所 平成 13 年 7 月 2 日判決、平成 11 年(ワ)第 17262 号)。一方で、特約があっても契約の前提から大きく外れる扱いにまで効力が及ぶわけではなく、「不行使特約があれば何をしてもよい」ではない点は押さえておいてください。

譲渡が本当に必要なケースは、企業のロゴやマスコットのように「依頼者が後ずっと自由に使い、他者に使わせない」必要がある場合です。個人の SNS アイコンや一枚絵であれば、用途を明確にした利用許諾で足りることがほとんどです。譲渡を求める場合は、通常の制作料とは別の対価が発生するのが業界の慣行です。

根拠

  • 「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。」著作権法 第 61 条 1 項)。「著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。」著作権法 第 63 条 1 項)。「前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。」著作権法 第 63 条 2 項
  • 「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」著作権法 第 59 条
  • 裁判例: 宇宙戦艦ヤマト事件東京地判 平成 13 年 7 月 2 日)、ひこにゃん事件(大阪高決 平成 23 年 3 月 31 日、判例時報 2167 号 81 頁。裁判所 Web サイトには未掲載)

利用範囲は「何をするか」で決まる

料金表やサービスでよく見る「個人利用」「商用利用」「二次利用」という区分は、法律上の言葉ではありません。著作権法では、次のような「行為」ごとに権利が分かれています。

  • 複製: コピーする、保存する、印刷する
  • 公衆送信: SNS に投稿する、配信で映す、Web サイトに載せる
  • 譲渡: 印刷したものを配る・売る
  • 翻案: 加工する、描き足す、別の作品に作り変える

SNS のアイコンにするのは複製と公衆送信、グッズにして売るのは複製と譲渡、色を変えるのは翻案(または同一性保持権の問題)にあたります。「商用かどうか」ではなく、「どの行為を、どこまで認めるか」を決めるのが利用範囲の合意です。

もう 1 つよくある誤解は「非営利なら自由に使える」です。家庭内などごく限られた範囲での複製は許諾なしでできますが(私的使用)、SNS に公開することは公衆送信なので、その範囲を超えます。非営利でも許諾は必要です。

依頼時には、次のように用途を並べて伝えると、範囲の認識がそろいます。

  • 「X と Discord のアイコンにします(個人利用)」
  • 「配信のサムネイルにも使いたいです。収益化している配信です」
  • 「将来、アクリルスタンドにして頒布するかもしれません。その場合は改めて相談します」

「商用」の線引きはクリエイターやサービスの定義によって違います。配信の収益化や同人誌での頒布を商用とみなすかどうかは人によるので、迷ったら用途を具体的に書いて、判断をクリエイターに委ねてください。

根拠

加工・トリミング・色替え

納品されたイラストを自分でトリミングする、色味を変える、文字を入れる。こうした加工は、クリエイターの意に反すれば同一性保持権侵害になりえます。

著作権法は「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」と定めています著作権法 第 20 条 1 項)。例外として「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」があります著作権法 第 20 条 2 項 4 号)。ただしこの例外は限定的に扱われていて、たとえば SNS がアイコンを自動で円形に切り抜くことがこれにあたるかは、個別の判断です。「この程度なら大丈夫」と自分で線を引くより、依頼時に「トリミングと明るさ調整はしてよいか」と一言確認するのが確実です。

クリエイター側は、料金表や条件に「トリミング可」「色調整可」「季節の飾りを足す程度の加工可」のように、認める加工を書いておくと、依頼者が迷わずに済みます。

根拠

クレジット表記

クリエイターは、作品に自分の名前を表示するか、しないかを決める権利を持っています(氏名表示権)。依頼者が勝手に名前を消したり、別の名前を付けたりすることはできません。

一方で、SNS のアイコンのように名前を物理的に付けにくい用途もあります。「著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる」という規定はありますが著作権法 第 19 条 3 項)、どこまでが該当するかは個別判断です。「アイコンなら省略できる」と決めつけず、依頼時に「クレジットはプロフィール欄に書く」「表記不要」のどちらかを合意しておいてください。

クリエイター側は、希望する表記の形式(名前、SNS の ID、リンクの要否)を条件に書いておくと、依頼者が迷いません。

根拠

  • 「著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。」著作権法 第 19 条 1 項)。省略の要件は同条 3 項(条文は本文のとおり)。

二次創作・版権キャラクターの依頼

好きな作品のキャラクターを描いてもらう依頼は、原作の権利が関わります。版権キャラクターを描いた作品は、法律上は原作の「二次的著作物」で、原作者の翻案権や二次的著作物に関する権利が及びます。

多くの作品には公式の二次創作ガイドラインがあり、条件付きで二次創作を認めています。ただしその多くは「趣味の範囲」「非営利」を前提にしていて、有償の依頼(コミッション)をどう扱うかを明示しているものは多くありません法人による利用や、グッズの販売、営利性が明らかな用途は禁止または申請制としている権利者が一般的です。

依頼者・クリエイターの双方が原作のガイドラインを確認し、営利性が明らかな用途(グッズ販売、法人での利用、広告)は避けてください。クリエイターが版権キャラクターの依頼を受けないことにしているのも、この不確実さが理由です。断られても、それはクリエイターの正当な判断です。ガイドラインは改訂が多いので、依頼のたびに最新版を確認する習慣をつけてください。

お、公式イラストをそのまま使う、公式イラストをなぞって描いてもらう(トレース)は、二次創作ではなく複製にあたります。ガイドライン以前に避けるべき行為です。

根拠

  • 二次的著作物の定義は「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう」著作権法 第 2 条 1 項 11 号)。原著作者の権利は翻案権著作権法 第 27 条)と二次的著作物の利用に関する権利著作権法 第 28 条)。
  • 各作品の二次創作ガイドラインは、権利者が公開している最新版を参照してください。この記事では特定の権利者のガイドラインは引用していません。

AI 学習と依頼契約

納品されたイラストを画像生成 AI の学習や、AI での加工に使うことについては、クリエイター側が明確に禁止していることが多い項目です。

著作権法は、「著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合」に、情報解析などの利用を「その必要と認められる限度において」許諾なしに認めています。ただし「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」とされています著作権法 第 30 条の 4)。文化庁「AI と著作権に関する考え方について」(2024 年 3 月 15 日)は、複数の目的のうち一つでも「享受」の目的が含まれていれば同条の要件を欠くとし、特定のクリエイターの作品群を意図的に学習させて作風を模倣する目的の複製は享受目的が併存すると考えられる、と整理しています文化庁「AI と著作権に関する考え方について」19〜21 頁)。「日本では AI 学習は何でも自由」という理解は正確ではありません。

依頼契約に「AI 学習・AI 加工への利用を禁止する」と書くことは、依頼者とクリエイターの間の約束として有効です。破れば契約違反の問題になります。ただしこの約束は当事者の間だけのもので、第三者の AI 開発者を直接縛るものではありません。文化庁の同資料も、著作権者が学習を拒否する意思を示していること「それ自体をもって、権利制限規定の対象から除外されると解釈することは困難」としています文化庁「AI と著作権に関する考え方について」26 頁)。作品を守る効果と限界を分けて理解しておいてください。

根拠

書面に何を書くか

ここまでの内容を、依頼時の合意(GreenHorn なら成約書面、それ以外なら依頼文とその返信)に落とすと、次の項目になります。

  1. 用途: どこで、何に使うか(SNS アイコン、配信、同人誌、グッズ、広告など)
  2. 範囲: 個人利用に限るか、商用を含むか。二次利用(別媒体への転用)の可否
  3. 加工: トリミング、色調整、文字入れなど、認める加工の範囲
  4. クレジット: 表記の要否と形式
  5. 譲渡か許諾か: 譲渡する場合は第 27 条・第 28 条の権利を含むことと、著作者人格権の不行使、対価を明記
  6. 期間: 期限を設けるか、期限なしか
  7. AI 利用: 学習・加工への利用の可否
  8. キャンセル時の扱い: 途中成果物の権利と精算

事業者がフリーランスに発注する場合は、2024 年 11 月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、給付の内容や報酬などを書面や電子で明示する義務があります。著作権の帰属そのものは独立した明示項目ではありませんが、公正取引委員会の Q&A は「成果物に関する権利の譲渡・許諾を受けたいなどの場合は、業務委託の際に『給付の内容』の一部として、権利の譲渡・許諾の範囲を明確に記載する必要があります」とし、「当該権利の譲渡・許諾に係る対価を報酬に加える必要があり」、協議なく一方的に低い額を定めると買いたたきとして問題になるおそれがある、と示していますフリーランス法に関する Q&A Q81)。個人が趣味で依頼する場合はこの法律の対象外ですが、範囲を書面で決めておく重要さは変わりません。

対価の目安としては、日本イラストレーター協会が、著作権譲渡は一次使用料の 2〜3 倍程度、別媒体への二次使用は 7 割程度、といった数字を公開していますイラストレーターの料金について)。あくまで協会が示す目安で、実際は予算と相談で決まります。

根拠

キャンセル・途中成果物・期間

途中でキャンセルした場合ラフや線画などの途中成果物にも創作性があれば著作権があり、それはクリエイターのものです。依頼者が代金の一部を払っていても、合意がなければ途中成果物を使うことはできません。逆にクリエイター側も、依頼者の指示や個人情報が含まれるラフを公開する場合は配慮が必要です。精算の割合は法律で決まっているわけではなく、事前に「工程ごとのキャンセル料」を決めておくのが実務的です。

期間ついては、著作権は原則として作者の死後 70 年まで続きます。依頼者にとって重要なのは、許諾の範囲や期間は契約次第という点です。長く使う予定なら、期限のない許諾か譲渡かを明確にしておいてください。譲渡を受けた場合でも、著作者人格権はクリエイターに残ります。

根拠

  • 著作物の定義は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」著作権法 第 2 条 1 項 1 号)。完成しているかどうかは要件に含まれません。
  • 請負契約の途中解除は「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」民法 第 641 条)。
  • 保護期間は著作者の死後 70 年著作権法 第 51 条 2 項)。著作者の死後の人格的利益の保護著作権法 第 60 条)。

GreenHorn ではどう扱われるか

GreenHorn(グリーンホーン)では、ここまでの取り決めを依頼の流れの中で確認できるようにしています。

  • 利用規約: 成約書面に定めがなければ成果物の著作権はクリエイターに帰属し、依頼者は成約書面で定めた範囲の利用権を得ます。合意範囲を超えた使用はできません利用規約 第 13 条(知的財産権))。
  • クリエイターの利用条件: プロフィールに「商用利用」「二次利用」「著作権譲渡」それぞれの対応可否と条件を掲示でき、クリエイター検索でこれらの条件で絞り込めます。
  • 依頼作成時の希望入力: 直接依頼やプロジェクトを作るときに、商用利用・二次利用・著作権譲渡の希望(なし/あり/未定・相談希望)を入力する欄があります。「未定・相談希望」を選べば、成約前のチャットで条件を詰められます。
  • 成約: 条件を詰めたうえで成約すると、その内容が成約書面として残ります。成約書面の「権利・利用条件」の章には、商用利用(予定の有無・詳細・利用範囲)、商用利用以外の利用範囲、二次利用(予定の有無・詳細)、著作権譲渡(希望の有無・詳細)、依頼者とクリエイターそれぞれのクレジット表記の項目があり、上の「書面に何を書くか」の 1・2・4・5 にあたります。同人誌などの頒布は「頒布・出版方法」の章で発行形態・頒布場所・部数と価格・収益配分を書きます。加工の範囲(3)、期間(6)、AI 利用の可否(7)、キャンセル時の精算(8)には専用の項目がないため、「トラブル対応・補足」の章の特記事項に書いてください。あとから用途を広げたい場合は追加合意で対応します。

よくある質問

Q. 料金を払ったのに、自由に使えないのはおかしくないですか?

依頼料は制作の対価で、権利の代金ではありません。「決めた用途で使う権利」は得ていますが、それ以外の使い方は別途の合意が必要です。用途が広い場合は、最初から広めに許諾を受けるか、譲渡を相談してください。

Q. 「著作権譲渡 OK」と料金表にある場合、追加料金なしで譲渡してもらえますか?

料金表の記載によります。「対応可」は「相談に応じる」の意味で、別料金や条件が付くのが一般的です。譲渡してもらう場合は、第 27 条・第 28 条の権利を含むことと、著作者人格権の扱いを成約書面に書いてもらってください。

Q. 納品されたイラストを、自分で少しだけ加工して使ってよいですか?

事前に合意していなければ、同一性保持権の問題になりえます。トリミングや明るさ調整程度でも、依頼時に「この加工は可能か」を確認しておくのが安全です。

Q. クリエイター側です。納品後に依頼者が勝手にグッズを作っていました。

合意した利用範囲を超えた使用は、著作権侵害にあたる可能性があります。まずは成約書面や依頼時のやり取りを確認し、依頼者に事実を伝えて使用の中止や追加合意を求めてください。話し合いで解決しない場合は、専門家への相談を検討してください。

Q. 依頼で描いたイラストを、クリエイターがポートフォリオに載せてもよいですか?

著作権はクリエイターにあるので、原則として載せられます。ただし依頼者の個人情報が含まれる場合や、依頼者が公開前提でない用途(未発表の企画など)で依頼している場合は、事前に確認するのが望ましいです。「ポートフォリオ掲載の可否」を条件に含めておくと双方が安心です。

免責: 本記事は、日本の著作権法や関連ガイドラインの一般的な内容を、イラスト・漫画の依頼を検討する向けに整理したものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容は冒頭に示した基準日時点の公開情報にもとづいており、法改正や各社ガイドラインの改訂により変わる可能性があります。個別の契約やトラブルについては、弁護士など専門家にご相談ください。

参考資料

関連リンク