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イラスト・漫画の依頼を受けるときの条件の決め方|修正回数・利用範囲・前払い・キャンセル料の書き方(クリエイター向け)

2026.9.02クリエイター向け依頼の受け方料金表

SNS で作品を公開していると、「有償で描いてほしい」という依頼が届くことがあります。うれしい反面、いざ受けるとなると「料金はいくらにする?」「修正は何回まで?」「商用に使われたら?」と、決めていないことの多さに気づきます。この記事は、依頼を受け始めたばかりの個人クリエイター向けに、受注前に決めておきたい条件と、その書き方を整理したものです。依頼者との認識のずれは、ほぼすべて「先に決めていなかったこと」から起きます。逆に言えば、先に決めておけば防げます。

条件を先に決めておく理由

依頼のトラブルでよくあるのは、「完成イメージが曖昧なまま進んで、途中で方向がずれる」「使ってよい範囲の認識が食い違う」「支払いがなかなか行われない」の 3 つです。依頼を受けるクリエイター向けの解説記事でも、この 3 点が繰り返し挙げられています。

どれも、悪意があって起きるわけではありません。依頼する側は「頼めば描いてもらえる」以上のことを知らないのが普通で、修正回数にも利用範囲にも、そもそも「決めるべき項目がある」と思っていないことが多いのです。条件を先に示すのは、相手を疑うためではなく、お互いが同じ前提で話すため準備です。

条件を書いておくと、もうひとつ良いことがあります。「これは料金に含まれますか?」「ここまで直せますか?」という質問に、その場で悩まず答えられます。判断の基準が自分の中にあるので、依頼ごとに条件がぶれず、断るときも理由を説明できます。

受注前に決めておく 7 項目

最低限、次の 7 つを自分の言葉で書けるようにしておきます。すべてを一度に完璧に決める必要はありません。まず書き、依頼を受けるたびに直していけば十分です。

1. 料金と、その料金に含まれる範囲

「1 枚いくら」だけでなく、その金額で何が含まれるか書きます。人数、背景の有無、サイズや解像度、納品形式(PNG / PSD など)、差分の数。含まれないものは「オプション」として別料金にします。

料金の決め方に迷うときは、公開されている相場を参考に、自分の制作時間から逆算するのが現実的です。相場の考え方は「依頼相場ガイド」の記事にまとめています。

2. 修正の回数と範囲

「何回まで無料か」だけでなく、どの段階での修正か分けて書きます。ラフ段階での構図や配置の変更は軽い作業ですが、清書後に構図を変えるのは描き直しに近い作業です。多くのクリエイターは「ラフ段階の修正は無料、清書後の修正は有料」のように段階で分けています。

回数を書くときは「ラフ 2 回まで、清書後は色味など軽微なもの 1 回まで。それ以上は 1 回ごとに ◯ 円」のように、超えた場合の扱いまで書いておくと、追加料金の話がしやすくなります。修正指示の受け止め方は「修正指示の伝え方」の記事のクリエイター向けの節も参考にしてください。

3. 納期と、着手の条件

納期は「依頼を受けてから ◯ 週間」ではなく、着手条件が整ってから ◯ 週間」と書きます。着手条件とは、入金の確認や、参考資料がそろうことです。ここを曖昧にすると、資料待ちで止まっていた期間まで納期に含まれ、遅延と受け取られます。

複数の依頼を並行しているなら、受付の上限や「現在の待ち期間」を公開しておくと、相手の期待値も整います。

4. 支払いのタイミング

前払い(着手前に全額)、後払い(納品後に全額)、半金(着手前に半額、納品後に残り)のどれにするかを決めます。個人間のやり取りでは、前払いか半金一般的です。後払いは納品後の未払いリスクをクリエイターが全て負うためです。

支払い方法も決めておきます。個人向けの送金アプリは、規約上、商品やサービスの代金の受け取りに使えないものがあります。この点は「DM で直接依頼するリスク」の記事で詳しく整理しています。

5. 利用範囲

依頼者が描いてもらったイラストをどこまで使えるかは、最も揉めやすい項目です。少なくとも次を決めておきます。

  • 私的利用のみか、商用利用(収益が発生する用途)も可か
  • SNS のアイコンやヘッダーなど、公開の場での使用は可か
  • グッズ化、印刷物、動画のサムネイルなど、二次利用の可否
  • トリミングや色調整など、改変の可否
  • クレジット(作者名)表記の要否

商用利用は、依頼者がそのイラストで利益を得る用途なので、私的利用とは別料金にしているクリエイターが多く見られます。「商用は基本料金の ◯ 倍」「グッズ化は別途相談」のように、料金表に明記しておきます。

お、依頼を受けて描いたイラストの著作権は、譲渡の合意がない限り描いたクリエイターにあります。依頼者は、合意した範囲で「利用を許可されている」状態です。「著作権を譲渡してほしい」と言われた場合は、譲渡すると改変やグッズ化を含めて相手が自由にできるようになり、以後の追加対価も請求しにくくなるため、本当に譲渡が必要か、利用許諾で足りないかを確認したうえで、対価を含めて判断してください。

6. キャンセルと途中終了

依頼者の都合で途中で止まることはあります。その場合にどの段階まで進んでいたら、いくら受け取るか決めておきます。「ラフ提出後のキャンセルは料金の 30%、清書着手後は 100%」のように段階ごとに書くのが一般的です。前払いにしている場合は、返金の有無と割合をあわせて書きます。

自分の側の事情で続けられなくなる可能性にも触れておくと、誠実さが伝わります。「体調などやむを得ない場合は、進行状況に応じて返金します」で十分です。

7. 受けない内容

描けないもの、描かないものを先に書いておきます。特定のジャンル、年齢制限のある表現、他者のキャラクターの二次創作(権利者のガイドラインに反するもの)、実在の人物など。ここが明記されていると、依頼者は事前に判断でき、断る側の負担も減ります。

料金表の作り方

7 項目が決まったら、料金表の形にまとめます。「何でも描きます、応相談」よりも、メニュー化された料金表ほうが依頼は来やすくなります。依頼者は「自分の頼みたいものがいくらか」を知りたいので、メニューがあると相談のハードルが下がるからです。

  • 基本メニューを 3〜5 個に絞る: アイコン / バストアップ / 全身 / 一枚絵、のように用途とサイズで分けます。細かすぎると選べません。
  • オプションを別に列挙する: 背景追加、人物追加、差分、商用利用、PSD 納品、急ぎ対応。基本料金に「含まれないもの」を、そのままオプションにします。
  • 含まれるものを明記する: 納品形式、解像度、修正回数を各メニューに書きます。
  • 例を添える: 「このメニューで描いた作品」を 1 枚ずつ付けると、依頼者の完成イメージと料金が結びつきます。
  • 改定日を書く: 料金は変わります。「2026 年 ◯ 月改定」と入れておくと、古い料金を前提にされずに済みます。

GreenHorn(グリーンホーン)では、クリエイターページに料金表を登録できます。依頼者はそこから直接依頼を送るため、料金表に書いた内容がそのまま条件の出発点になります。

依頼が届いたときの確認手順

条件を公開していても、届く依頼の情報は足りないことが多いです。最初の返信で確認する項目を、テンプレートとして持っておきます。

  1. 用途: 何に使うか(SNS アイコン、配信、同人誌の表紙、商用の広告など)。利用範囲と料金がここで決まります。
  2. 内容: 描く対象、人数、構図の希望、参考画像の有無。オリジナルキャラクターなら設定資料をもらいます。
  3. サイズと納品形式: 使用先に合わせた縦横比や解像度。
  4. 納期: 希望日と、その理由(イベント日など)。着手条件と合わせて実現可能かを判断します。
  5. 予算: 料金表の該当メニューを示し、オプションを含めた見積もりを返します。

ここで 料金・修正回数・利用範囲・納期・支払いタイミング 5 点を文章で明示し、相手の同意を得てから着手します。「了解です」の一言でも、書面のやり取りとして残っていることが大切です。口頭や、流れてしまうチャットだけで進めないようにします。

条件が合わない依頼は、断ってかまいません。理由は「スケジュールが合わない」「作風が合わない」で十分で、詳しく説明する義務はありません。値下げを求められた場合は、料金ではなく内容を減らす(背景なし、差分なし、など)提案を返すと、料金表の整合性を保ったまま応じられます。

条件を書いても揉めるとき

どれだけ丁寧に条件を書いても、進めるうちに「思っていたのと違う」は起きます。多いのは、修正の範囲が広がっていくケースと、当初の合意にない作業を「ついでに」頼まれるケースです。

対処の基本は、無償で抱え込まず、追加分を追加分として提示することです。「その変更は当初の範囲を超えるので、追加で ◯ 円と ◯ 日をいただければ対応できます」と、金額と期間を添えて返します。範囲を超える依頼を「修正」として受け続けると、料金に対して作業量だけが増え、次の依頼にも影響します。

GreenHorn では、依頼者とクリエイターが「成約フォーマット」という共通の書式で、金額・納期・修正回数・権利関係を項目ごとに確認し、双方が同意して成約が確定します。成約後に作業内容を追加する場合は「追加合意」の仕組みで、追加の内容と金額を改めて双方で合意します。制作は工程(ラフ・線画・仕上げなど)ごとに進み、依頼者からの修正指示は画像に直接書き込む形で届くので、「どこをどう直すか」の往復も減ります。支払いは依頼者から運営への銀行振込で、入金が確認されてから制作を始め、納品完了後にサービス手数料(15%)を差し引いた報酬を受け取る流れです。

条件をどう書けばよいか迷う段階なら、こうした仕組みのある場所で依頼を受けるのも一つの方法です。決めるべき項目が書式として用意されているので、抜け漏れが起きにくくなります。

免責: 本記事の内容は公開されている各サービス・記事の情報をもとにした一般的な目安であり、実際のルールや料金はクリエイター・内容・用途・納期・修正回数により異なります。必ず依頼前にクリエイター本人と条件をご確認ください。本記事は 2026 年 9 月時点の公開情報をもとにしており、法的助言ではありません。契約や権利について不安がある場合は、専門家にご相談ください。

よくある質問

Q. 相場より高い料金を設定したら、依頼が来なくなりませんか?

料金は制作時間と品質で決まるもので、相場は参考値です。安く設定すると依頼は増えますが、作業量に対して収入が見合わず続かなくなります。まず自分の制作時間から逆算した金額を置き、依頼の反応を見ながら調整するほうが長続きします。

Q. 「著作権を譲渡してほしい」と言われました。応じるべきですか?

譲渡すると、改変やグッズ化を含めて依頼者が自由に使えるようになり、以後の追加対価は請求しにくくなります。相手が本当に譲渡を必要としているか(多くの場合は利用許諾で足ります)を確認し、譲渡するなら対価に反映させてください。判断に迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。

Q. 修正回数を超えた依頼者に、追加料金を言い出しにくいです。

事前に「超えた場合は 1 回 ◯ 円」と書いてあれば、「条件のとおり、ここから有料になります」と伝えるだけです。書いていなかった場合は、今回は対応したうえで「次回以降はこの条件で」と条件を明示し、料金表を更新してください。

Q. 依頼者が入金してくれません。作業を始めてよいですか?

前払いや半金を条件にしているなら、入金確認まで着手しないのが原則です。始めてしまうと、未払いのまま作業だけが進むリスクを負うことになります。入金期限を伝え、期限を過ぎたら依頼をいったん取り下げる、と最初に決めておくと対応に迷いません。

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